年金によるオルタナティブ投資
年金でも、関心が高まるオルタナティブ投資
国内株式の下落などの経済の悪化に伴って、企業年金をとりまく運用環境も厳しいものとなっており、年金資産はマイナス利回り状態が続いている。このような環境下、プライベートエクイティ、ヘッジファンドなど、上場株式や債券などの従来型の投資手法以外に投資を行うオルタナティブ(代替)投資での資産運用に対する関心が、企業年金でも高まってきている。運用の主流であった株式が低迷する中、リターンが期待でき、将来の給付に必要な利回りの確保に繋がることなどから、運用に乗り出している企業年金も増えている。
主流はヘッジファンド
あるアンケート調査によると、オルタナティブ投資を実施している年金のほとんどは、ヘッジファンドに投資をしているらしい。これは、国内の銀行の低金利時代が続く中、長期金利上昇に伴う債券ポートフォリオの毀損に備えるための代替商品の必要性が高かったことなどから、いずれ流行るものと思われている。この先も引き続きヘッジファンド投資が主流であると見られているが、他の商品への関心も高まりつつあるようだ。
商品知識の向上、情報開示が今後の課題
年金がヘッジファンド投資を導入する主な狙いは、「リスク分散効果」と「絶対収益」の二つである。また、オルタナティブ投資を行わない企業年金の理由には、「商品が難しい」「説明がわかりにくい」「運用状況を開示されない」などがあり、商品を提供する側の説明不足によるものが多いようだ。逆に言えば、このような点が改善されれば、企業年金のオルタナティブ投資への取り組みも一層広がるものと見られている。
年金のオルタナティブ投資と信託銀行の関係
既にオルタナティブ投資を行っている年金の殆どが、期待値以上、と評価しているようだが、今後の取り組みとしては、腰を据えて長期的にじっくり取り組みたい、という姿勢を持っているようだ。また、種類を問わず、年金が投資しているオルタナティブ投資商品のほとんどは、信託銀行から提供されている。内外投資顧問がそれに続く形となっているが、これで見てみると、オルタナティブ投資の分野における、信託銀行の存在はかなり大きい、ということがわかる。
リスク管理の認識を強めることも大事
このような中、年金側の、信託銀行に対する、オルタナティブ投資に関する望みは、「運用状況の開示とモニタリング」がとても多いようだ。すなわち、「透明性」の確保とともに、専門性の高いモニタリング能力の提供が、今後大きく信託銀行に対して求められてきている。企業年金側としても、年金資産の管理上、重い受託者責任を負っていることから、オルタナティブ投資の採用の時にも、高いリターンの獲得を目指すだけでなく、思いがけない事態に備えたリスク管理についても十分に理解を強めていくことが必要とされている。
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