相続税による納税猶予制度について
相続税の「納税猶予制度」とは?
相続税の「納税猶予制度」についてここで詳しくご説明していきたいと思いますが、そもそもいくら準備をしていたとしても、相続が発生してしまうタイミングを、予測することは誰にでも困難なことです。相続が発生してしまったということは、被相続人の死亡を意味するわけなのですから、人がいつお亡くなりになるのかを予測できないのと同様なことで、突然相続が発生してしまったので、相続税を支払うようにとそんなことを言われても、なかなかそれだけの準備が出来ている方というのはありえないことだと思います。しかしながら、相続税が課税されたものの、もし支払うお金がないという場合は、どのようにすれば良いのかお分かりでしょうか。特定の条件を満たしている方については、相続税の納税が猶予されると言うまさに夢のような制度がありますので、この制度について詳しくお話していきたいと思います。
農地を所有している場合
まず、最初に言っておきますが、この猶予制度は、「農地」についてのことで、宅地や商業地などの相続においては適用されず、あくまでも農地を所有している農家のことを意味します。これらのことをお読みになって、なぜ農家や農地だけが優遇されるのか?という疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。しかも、この猶予制度は、一定期間の相続税納税を猶予されるだけでなくて、条件を満たすことによってそのまま相続税を支払わなくてもいいので、なおさら特別扱いされていることが際立つかと思います。
農地の相続税には納税猶予制度がある
それでは、なぜこの「農地」だけが、このように特別扱いされるのかと言いますと、そこには、相続税による弊害と国の政策があるのですが、相続の際に、多くの事例で相続財産が、相続人らの間で分割されます。そして、土地をそのまま相続人で分割することによって、本来は大きな一枚の土地だったものが、細かく分割されることになり、これが農地で起こってしまうと、農地の細分化というトラブルが起きてしまいます。また、農業というのは、区画整理された大きな耕地で行うことにより費用効率も上昇するために、競争力の高い農業を営むことができますし、相続税の納税や遺産分割によって、農地がどんどん細分化されると農家の競争力が失われてしまい、日本の農業全体に悪影響を及ぼすこととなってしまうのです。なので、それを防ぐためにも、農地の相続税には、「納税猶予制度」があるということになります。
猶予制度を利用して相続税の免除を受けるには
次に、農地の相続に該当する方であれば、誰にでも充分に検討の価値がある猶予制度なのですが、やはり相続税を無料にしてくれるというからには、かなり高いハードルがあるということを忘れないでください。まず、被相続人がお亡くなりになる日も農家であったことと、これは条件を満たせそうなのですが、次が非常に大変で、猶予制度を利用して相続税の免除を受けるには、相続から20年間は、農業を営むことが条件となります。これは、具体的に申しますと、市街化調整区域と言って市街化が進んでいる地域で、この適用を受けるには、終生農業をしなければならないというさらに厳しい条件がついてきます。また、農地の全体面積のうち、2割以上の面積を譲渡や、転用、貸付などをした場合には、猶予が取り消しとなってしまい、その時点で相続税が遅ればせながら課税されるということになります。
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