バブル期の資産インフレ
資産インフレと普通のインフレ
資産インフレとは、株価や地価、そして貴金属などの資産の価格のみが長期的に上がっている状態のことを意味する。普通のインフレが物価全般が上昇するが、資産インフレは資産のみがインフレ状態になる。
日本の財政赤字
国の借金(国債及び借入金)の累積が名目GDPを超えるようになった当たりから、日本の財政赤字の巨額さが問題になってきた。1990年代から飛躍的に財政赤字が増えはじめた。91年~97年は、不況による政府収入の減少にもかかわらず、公共サービス・公共投資などの政府支出が増大していたことで財政赤字が増加した。98年は金融システム危機対応の費用が増大したことで、99-2003年については、公共投資は削減したものの、社会保障関係の支出が増大し、税収が減少したことで財政赤字は増え続けた。また、現在も公共投資の対GDP比は欧米より高く、少子高齢化による税収減、社会保障の増大は今後も続くだろう。財政赤字が増え続ける可能性は高い。
財政再建と資産インフレ
資産インフレを起こす、要するに地価や株価をだんだんと上げることで、財政問題解決につなげることができるという考えがある。実際、バブル崩壊後の地価下落の時期と、財政赤字が増える時期は重なっている。株と土地の資産価格が上昇したため、バブルの時代には景気がよかったわけで、資産インフレにより、景気は回復すると言う考えである。しかし株価を正当な評価とかけ離れる異常な高値にして、そこから利益を得られること自体が現経済システムの欠陥であり、それを大量に継続的に行えば経済システムは崩壊するし、地価はその利用価値以上の高値をつけることが経済活動の障害になる。理由のない異常な値や異常な乱高下から生まれる利益は経済の害でしかない。社会の混乱と不公正を生む源泉ともなる。バブル時代のような急激な資産インフレを起こすことで財政再建ができたとしても、経済システムは崩壊し、社会の混乱が増すのであれば、資産インフレを期待することはできない。
金融政策の目安を定めない日本
「急激な」「資産だけの」インフレが経済システム、社会の混乱をもたらすわけであり、緩やかな、全体的な物価の上昇は好ましい状況である。この状態を保持するために中央銀行が物価上昇率目標を示し、その達成を目指して金融政策を行う。ということをやっている国は数十カ国ある。この政策をインフレターゲットという。日本では、1992年からは、資産デフレが進行することになったが、このインフレターゲットを導入していれば、「失われた10年」と言われる状態は避けられたのかもしれない。この資産デフレが収束し、小康状態になったあとサブプライム・ショックが起こったが、日本にはこのインフレターゲットを導入する気配はない。
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