ディスインフレ、インフレでもデフレでもない状態とは
需要と供給のバランスがとれた状態
ディスインフレとはディスインフレーションの略のことであり、一般的に、物価上昇率が低く、インフレが収束した状況をさす。インフレーションからは抜け出たが、需要が減退し、それに対して供給が大幅に上回る結果引き起こるデフレーションとは異なるものとされている。バブル崩壊後の日本経済は、長くこのディスインフレーションにあったとされている。
安価な賃金、輸入品の活用
バブル期以降の日本経済は景気後退が長期化し、企業収益・労働環境が悪化して賃金上昇率が低下した。賃金が下がれば物価が下がり、デフレスパイラルとなるが、円高が進行したことで輸入コストの低下をもたらし、物価の強い安定化要因となった。極限まで安くしても円高によって安くなった輸入品には敵わないので、ものすごく安い状態で物価が安定したというわけである。消費者も、節約意識や価格志向を高めたので輸入品の需要が安定した。これでは生産者が国内で生産しても割高になってしまうため、アジア経済圏の人的資源や資金、技術などの経営資源を有効活用するようになり、安価な輸入品の供給圧力が高まった。賃金が下がっても輸入品が安価になっていたので、物価が低いまま安定した状態にあったわけである。
金融政策によるディスインフレ
アメリカは、1990年代にもディスインフレを経験している。当時は、株価の上昇に繋がった長い期間のディスインフレであり、アメリカ連邦準備銀行の金融政策によるものであるといわれる。1979年にcpiは15%にまで上り、当時のアメリカ連邦準備銀行議長であった、ポール・ボルカーは、これを食い止めるために、短期金利の引き上げを継続させた。この後も、アメリカ連邦準備銀行が上手く金利を上下することにより、2002年には、インフレ率を2%以下まで下げることができた。アメリカでは金融政策をうまく働かせることで物価を安定させたわけである。
リーマンショック以降のアメリカ経済
アメリカの大手証券会社、リーマン・ブラザーズが経営破綻してからというものの、世界中の金融機関は混乱状態となり、世界恐慌以来の金融危機に直面している。失業者の数もうなぎ上りで、2008年の1年間の失業者数は約290万人
で、63年ぶりの高水準である上に、そのうち2008年11月から2009年1月まで、ここ3カ月間の減少数の累計は180万人である。この、失業者の増加によってデフレスパイラルが起こる可能性もある。実際、ブランド店ですら値引きを断行するほどであるので物価は既に下落し始めている。となれば、更に失業者が増える可能性が高い。アメリカの新大統領となるバラク・オバマは景気対策として雇用政策を重点に置き、2010年末までに360万人の雇用創出を目指している。このように、アメリカの政府や中央銀行はインフレ、デフレに敏感に対応し、適切な対策を打つ事によってディスインフレ状態を維持しようと努力しているわけである。
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