遺産分割に重要な意味を持つ遺言
遺言の意味
被相続人が亡くなった場合、相続人は、葬儀などが無事終わり、落ち着いてくると、被相続人が遺言を残しているのかどうか、とても気になることではないでしょうか。被相続人の財産は、この遺言書を基本として、相続人たちが分配しなければなりません。ですから、どうしても、相続人にとって遺言書が気になるのは仕方が無いことなのです。故人の意思が反映されている遺言書は、相続人にとって、遺産分割における協議をしなくても良いという利点もありますが、遺言書の内容によっては、相続人たちに無用なトラブルを起こすことも多いのです。
遺言書の種類
遺言書には決まりがあり、作成方法によって、有効と認められるものと認められないものがあります。自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言が、現在認められている遺言書です。
自筆遺言書とは
自筆遺言書とは、本人が日付け、氏名、全文を自筆で記載し、書き残す遺言書のことをいいます。これは、裁判所の検認といわれる、家庭裁判所内で、相続人が立会いの下、開封されなければなりません。自筆証書遺言は、自筆で記載し、封筒に入れ、封印をし、封筒の表に、遺言書と明記し、封筒の裏には氏名を書き、「この封書は、家庭裁判所において開封されなければならない」と、注意書きをしておいたほうがよいと思います。遺言書が2枚以上にわたる場合、実印よりも、契印を押しておくほうがよいと思われます。遺言書を残す必要条件は、意思能力があり、15歳以上であることとなっています。
公正証書遺言の形式
公正証書遺言とは、公証役場において、本人と2人以上の立会人のもと、公証人が本人の遺言内容を述べたものを筆記して作成します。作成された遺言は、本人に読み聞かせて、間違いがない場合は、本人と公証人が署名し、捺印して作成されます。この遺言書は、20年間は公証人役場に保管され、正本は本人に渡されます。未成年者や推定相続人、受遺者やその親族、公証人の親族や公証人と一定の関係者は、立会人になることができません。もちろん、公証人への手数料は必要です。相続遺産の価格に応じて、この手数料は決められています。
秘密証書遺言の形式
遺言は、必ず自筆でなくてもよく、代筆でも可能です。しかし、本人の自筆の署名と捺印、封印、公証人役場で2人以上の立会人の証明が必要となります。つまり、秘密証書遺言とは、遺言書の存在を公証人に証明してもらうものです。この遺言書は、裁判所で検認といわれる、家庭裁判所内で相続人立会いの下で開封されることが必要となっています。意思能力があり、15歳以上の人でないと、この遺言書を残すことはできません。
遺言書と遺産分割の原則
遺産分割は、遺言書がある場合、その遺言どおりに行われなければならないとされています。しかし、実務上のケースにおいて、遺言があった場合に、全て尊重されているというわけではないようです。相続人全てが合意し、遺言とは異なった遺産分配を行う場合も少なくありません。遺言執行人がいる場合であっても、遺言通りの遺産分配がなかなか進まないより、相続人全員が合意した場合、執行人は手を引く場合が少なくはないのです。遺言通りの相続方法を、相続人全員が破棄して、最初から、遺産分配の方法を考えるというものです。しかし、遺言書は必要がないといって破棄したり、破ったりした場合、相続人の権利を失ってしまう場合もありますので、注意してください。
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