UBSの増資と大株主の誕生
増資の仕組み
手持ちの資本金を、新規事業参入や設備投資など積極的な経営を行う際に資金調達のため増やすことを『増資』と言います。たとえば、企業が発行する株式が上場している場合なら、資本金を増やし株式を追加発行し市場で売ります。その株式を売却した資金で新規事業参入や設備投資を行うわけです。資金を借り入れする場合は金利がつき返済もしなければいけませんが、増資の場合は投資家が株式を購入しさえしてくれれば、非常に有効な資金調達法と言えるでしょう。
UBSの増資発表が持つ意味
サブプライムローン問題が発覚した2007年の終わり、UBSは追加増資を行うと発表しました。もちろんサブプライムローンで計上した巨額の損失分を補うするため、資本増強のためのものです。前述では一見すると増資とは前向きな企業戦略にも見えますが、UBSが当時行った発表は決して明るい話題としては受け取られませんでした。つまり、資金ショート(預金残高不足)による経営破たんを防ぐための増資であって、UBSが今後より躍進するために必要な増資ではありません。サブプライムショックで莫大な損失を計上し、また一向に回復の兆しが見えない世界金融危機の中、今後今以上に損失を出す可能性も否定し切れません。この様にリスクを抱えながらも大規模な増資をする必要があるわけです。
UBSの増資、誰が買う?
このUBSの増資発表を受け、UBSが新たに発行した株式は誰もが買えるわけではありません。巨額の損失を補うための増資ですから、発行する株式の数も相当なもの。ただ単にこれらの株式を市場にばら撒いたのでは株価が値下がりするだけで、増資にはつながりません。ですので一般的にこのような増資を行う場合、予め引き受け先を決めてから行うわけです。どれだけの株式を購入してもらえるか、それによるお互いのメリットはどれぐらいになるのかなどを、事前に話し合い決めます。株式を保有することは会社の所有者の一人になるわけですから、当然敵対的な企業に売却するわけにはいきません。
シンガポールと中東オマーン
さて注目のUBS増資の引き受け先ですが、噂ではシンガポール政府投資公社と中東オマーンの投資家ではないかと言われています。UBSが発表した増資は総額130億スイスフラン。その内、シンガポール政府投資公社が110億スイスフラン、オマーンの投資家が20億スイスフラン引き受けたとされています。今回増資の対象となったのはUBSの債券で、2年以内に強制的に株式へ転換されるという制約つきのものです。つまり、2年以内に、UBSの二大大株主が誕生すると言うことです。
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