写真で届ける世界遺産(ドイツその5、ベルリンの威容を示す複合博物館施設の博物館島)

 19世紀になってプロイセン王がベルリンの湿地帯の整備を計画し、既にあった大聖堂の改築と、博物館の建設を建築家のカール・フリードリヒ・シンケルに命じ、1830年に旧博物館が開館しました。

 その威容を見た王が、この一帯を「芸術と古代学に捧げる地区」と定め、複数の博物館を建設することとしました。その後の1世紀の間に5館からなる複合博物館施設がこの中州に誕生し、世界遺産として指定されることになりました。

 博物館島へはウンター・デン・リンデン通りか、フリードリヒ通りにホテルをとると近くて便利です。

 まず博物館島の案内ですが、手前の2棟がベルガモン博物館、Sバーンの高架の向こう側がボーデ博物館です。



 旧ナショナルギャラリーです。


 次に新博物館、入口はこの裏側です。この日は曇り空で、時々小雨が降るあいにくの天気でした。


 18本の柱が整然と立ち並ぶのが、博物館島で最初に建てられた旧博物館です。


 そしてベルリン大聖堂、高さ114メートルの大天蓋に上りたかったのですが、礼拝か催事が行われていたようで、入場もできませんでした。


 実際に入場したのはベルガモン博物館と新博物館ですが、ベルガモン博物館は工事中で、今の入口はここです。


 12ユーロを払い、入口をはいってすぐにあるのが、このゼウスの大祭壇。トルコで発掘されたこの祭壇は紀元前180年から160年にかけて建造され、発掘後ドイツに運ばれ、大戦後は一時レニングラードに運ばれましたが、現在はこのベルガモン博物館にて公開されています。
まず祭壇の巨大さに驚きますが、この祭壇がトルコ、ドイツ、ソ連、ドイツと運ばれた歴史にも感動します。


 その横にあるのがミレトスの市場門、スケールが大きいので、ただただため息をついて見つめるばかりです。


 次に、青色のレンガを用いた古代バビロニアのイシュタール門。


 そこから続くのが行列通りで、イシュタール門とともに紀元前560年頃の遺跡が、そっくりそのまま展示されています。


 博物館島で、どこか1カ所しか見学できない時は、迷わずベルガモン博物館へ行くことをお薦めします。

 次に入った新博物館は戦争で破壊されてましたが、2009年に再建されました。古代エジプトのコレクションがメインで、このような彫刻が数多く展示されてました。



 お目当ての古代エジプトの美女「王妃ネフェルティティの胸像」だけは、撮影がNGで、数名のガードマンが写真を撮られぬように警備していました。

 この地区は第2次世界大戦で甚大な被害を受けたので、再建中や改装中が多いのですが、プロイセン王が意図した「芸術と古代学に捧げる地区」の構想は2度の世界大戦をはさみ、現在も進行中、そして最終段階のように見えました。

 ちなみに博物館島は1999年に世界遺産に指定されました。

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