写真で届ける世界遺産(ドイツその8、奇跡の伝説があるヴィースの巡礼聖堂はドイツ・ロココの傑作)

 ドイツ南部、バイエルン州の小さな村で農婦が見つけた木彫りのキリスト像は、1738年にその目から涙が流れ落ちるという奇跡を起こしました。この奇跡を信じ、礼拝しようとする人々のために建設されたのがこのヴィースの巡礼聖堂です。

 ミュンヘンからブーフローエで乗り換えて、フュッセンまで列車で2時間、さらにフュッセンからバスで45分。列車は1時間に1本ありますが、バスは1日に5本しかないので、帰りのバスの時間確認はお忘れなく。

 バスに乗り10分程で見えてくるのが、ロマンティック街道で、最も人気が高い、このノイシュヴァンシュタイン城。揺れるバスの中から、コンパクトデジカメで、望遠を伸ばしてやっと撮りました。



 同じバスに日本人が数名乗り合わせていましたが、皆さんここで降りてしまい、バスの運転手さんが「おまえは、降りなくていいのか」と心配顔。ここからヴィース聖堂までの35分間、このバスは貸し切り状態でした。

 さて、のどかな草原の向こうにヴィース聖堂が見えてきました。周囲は牧草地で馬がのんびりと、牧草を食んでますが、そのまっただ中に規模は小さく、簡素な外見の聖堂があります。この右側の道路を歩いて行くと入口があります。



 この写真はヴィース聖堂の建物の裏側です。左が入口です。


 聖堂の建設を手がけたのは、漆喰装飾を得意とする建築家の弟と、フレスコ画を得意とする兄の2人で、ツィンマーマン兄弟。1746年から11年かけて建設された内部に足を踏み入れると、最初に見えるのが正面内陣です。

 もう言葉に言い表すことができないほどの感動で、ただ立ち尽くしてしまいました。



 ミサが行われている間は、写真撮影はできませんが、終わるとOKのようです。多数の観光客が驚嘆しながら、シャッターを押していました。


 斜めの角度からの写真ですが、どこから見てもロココの荘厳華麗な空間が広がります。


 天井のフレスコ画。


 そして最後に、入口の上部の装飾です。


 間違いなくドイツ・ロココ様式の最高傑作と言えるでしょう。ずっと見ていたかったのですが、1日5本のバス便なので、後ろ髪をひかれる思いで聖堂をあとにしました。

 ヴィースの巡礼聖堂は1983年に世界遺産に指定されました。

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