美女と野獣と年金

物語はハッピーエンドだが……


 「美女と野獣」は森の奥の城に住む、魔法で野獣の姿に変えられた王子と、成り行きから一緒に暮らすことになった村娘のベルが織りなす、ロマンティックなラブストーリー。ラストはもちろんハッピーエンドだ。

 しかし、現実は厳しい。美女はまだよい。お金持ちと結婚している場合が多いので、あまり老後の心配がない。さらに言えば、古来、美人薄命といわれ、本田美奈子、夏目雅子、マリリン・モンロー、シャロン・テート、ダイアナ妃と美人薄命の実例は事欠かない。美女は総じて、長生きのリスクが低いと言える。

 困るのは我々野獣のごとき一般人。野獣は自分でえさを取って食べていくより他はない。長生きはもちろんめでたいが、お金がかかる。我々は死ではなく、長生きのリスクに直面するのだ。

 長生きをするといったいいくらお金がかかるのか?
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によれば、夫婦で豊かな老後を送るためには月37万円程度が理想だ。さらに「生活水準を急に落とすのは難しいため、現役時代の年収が1,000万円なら夫婦で月50万円は必要」というアドバイザーもいるほどである。

 ところが将来もらえる年金は、月10万円~15万円程度で、毎月20万円以上足りない。60歳から80歳までの20年間では、毎月20万円×20年=4,800万円を自分で準備しなければならない。

 では、どのように運用すれば60歳までに4800万円以上形成できるだろうか。

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