中国市場の贅沢品市場は急成長を続けている。現在、日本に次ぐ規模だが、今年の終わりには、世界最大の贅沢品市場になる可能性もある。
こうした急成長を支えているのが、中国の贈り物文化だ。米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの調査によると中国国内の贅沢品売上げのうち、25%が贈答用なのだという。
アメリカのPR会社、ルーダー・フィンが昨年、1057人の贅沢品を購入した中国人顧客に対して調査を行った結果、4分の3の顧客が、購入したプレゼントを重要な人に送ると答えた。このうち半数が家族で、3分の1がビジネス仲間だった。人気のあるブランドはルイビトン、カルティエ、エルメスだ。
中国人富豪の贅沢品に対する熱狂ぶりは、販売者も唖然とするほどだ。海外の多くのブランドは、中国の大都市に路面店を出し、最近では中級都市にも目を向け始めている。
この背景には、中国人が「メンツ」を気にするという事情がある。つまり、他人にどう見られるのかを重視するのだ。特に、ブランドのロゴが堂々と入った商品は、中国人にとって気が引けるものではなく、成功の証となっている。
一方、ルーダー・フィン中国法人の寿玉エイ・董事総経理(取締役社長)は「中国の贅沢品顧客が賢くなるにつれて、下品に財産をひけらかす事を避ける人も出てきている」と話す。贈り物ではなく、自分自身をねぎらい、自分らしい品位をあらわすために、良質な商品を購入するのだという。