パナソニックやっと社長交代、辞任圧力の結果

「続投」報道が批判に火を付けた

 「創業家というだけで、高齢で役に立たない松下正治氏が取締役を続けていたことも、批判の対象だった。旧パナ電工は、グループで力を入れると宣言している家やビルの“丸ごと事業”の要。長栄氏昇進でそれを示した」

 パナでは、創業者の松下幸之助が66歳で社長を退任していることから、66歳を超えて続投した社長がいなかった。このため、すでに66歳の大坪社長は、2012年半ばまでに交代するといわれていた。

 だが、テレビの不振と円高加速によりリストラの前倒しを迫られ、7800億円もの最終赤字見込みとなり、「こんな厳しいときだから、現経営陣で乗り切るのでは」とも憶測された。昨年12月に読売新聞が、今年2月には毎日新聞が、なんと一面で『パナ経営陣 続投』と報じた。この報道が、かえって社内外の批判の火に油を注ぐ結果となっていた。

 社長交代の発表を受け、別のパナ役員OBはこう話した。

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