毎日が酒と美女のIPOバブルのアノ頃

いつしかお金が目的に

 「必ず成功すると考えていましたし、走りながらファイナンスをしていましたね」

 会社の人員もどんどん増えていく中で、初年度の売り上げは1億円に。しかし、倍増していく経費に売上が追い付いていかない状況が続いたという。片っ端から金融機関から融資を受けていった。

 こんなハイリスクなことを平然とやっていた。しかし、当時は数億円やそこらの金額を掴んだ人は、渋谷界隈には多くいたという。このことが、少しずつ感覚を狂わせていったのかもしれない。


 あるエンジェル投資家に、3億円あれば年利5%で回せばセミリタイアできると告げられ、お金を意識するようになったという。「人に命令されなくていいように自由な社長になったのに、お金が目的になってしまっていたのです」と心境は変化していた。

 水野氏は走るスピードを緩めなかった。しかし、ある日の取締役会で、クーデターが起こった。これが借金地獄に転落する始まりの日だった。(つづく)
毎日が美女と酒だったIPOバブルのアノ頃2

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