首相も関心、国会でもタックスヘイブンの議論

ケイマン諸島だけで47兆円流入?

 大門氏「増税すると海外へ逃げる、と資産フライトが脅しのように言われる。各国で税の引き下げ競争は首を絞めるだけ。そろそろ国際連帯で協調して税の引き下げ競争はストップし、みんなで税を上げてはどうか。むしろ大事なのは、国際的な脱税行為を許さないこと。日本では、(法人税実効税率)20%以下の国はタックスヘイブンだとしているが、ここにペーパーカンパニー、ファンドなどを作って課税逃れをしている。その数が2010年では4470件もあり、事実上の脱税行為だ。ケイマン諸島だけで47兆円流れ込んでいる。国税庁が把握しているのは、そのうち八百何十億だけ。日本はどういう対策を打ってきたか」

 安住財務相「国としてはペーパーカンパニーという言葉は使っていない。(中略)様々な世界の所得が把握できてないのでは、との指摘がある。外国の税務当局と話し合って対応していかなければならない」

 ベネッセHDG会長の福武総一郎氏が、ニュージーランドに居住していることはすでに知られているが、今年に入ってからは、HOYAの鈴木洋CEOがシンガポールに拠点を移すなどしている。

 また、ファーストリテイリング創業者の柳井正氏が、530万株を配当税のないオランダに移す動きもあった。最近の大企業の経営者は、タックスヘイブンと上手く付き合っている実態がある。

 次に米国の取り組みが紹介される。

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