仏高級シャトー、中国にワイナリー着工

 今や中国富豪の間では欠かせない贅沢品となったフランス・ボルドーの高級ワイン。中でも「シャトー・ラフィット・トートシルト」は人気が高いが、この持ち株会社が今月、中国の「中信集団」と合弁で、山東省・蓬莱にワイナリーを建設した。投資額は約1億元(約13億円)。アジアで初めての生産地となる。華夏時報が伝えた。

 中国で「拉菲(ラフィットの中国語)」と言えば、今や高級ワインの代名詞だ。それと共に、値段も急上昇していて、10年前に600元(約7800円)〜700元(約9000円)だったものが、今では6倍以上の4000元(約5万2000円)〜5000元(約6万5000円)で売られている。中には、4万元(約52万円)、5万元(65万円)といった商品もあり、日本より割高だ。

 中国でのラフィット年間消費量は200万〜300万本に上るという。ところが、フランスで1年間に生産されるラフィットは約20万本で、このうち約4万本が中国に輸入されている。世界中のラフィットを集めて、10倍してもまだ足りないほどの量が出回っている事になる。

 その訳は「偽物の多いため」だ。関係者によると、中国では大きく分けて2種類の偽ラフィットがあるという。一つは単なる偽物で、本物の空き瓶を手に入れて、中身を入れ直したものだ。ちまたでは、ラフィットの空き瓶が高値で売られている。例えば1982年の空き瓶は最高で3500元(約4万5000円)で取引されているという。

 もう一つは、いわゆる“パクリ”ラフィット。「拉菲」(ラフィット)の2つの文字をラベルに並べながら、実際は全く関係のない商品だ。「拉菲世族」「拉菲帝国」の2つは、昨年“本家”から訴えられ、敗訴したが、これ以外にも「拉菲世家」「拉菲名庄」などなど、あげればきりがないほどのパクリが出回いて、もともと数十元(数百円)の商品が数百元(数千円)で売られているという。

 こうした状況のなか、いよいよフランス本家が中国でのワイン生産に乗り出す。蓬莱市の関係者によると、既に2年前からぶどうの植え付けをしており、2016年には中国産のラフィットが出回る事になりそうだ。年間生産は12万本を見込んでいる。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる