がれき問題、札幌市長「絶対安全が担保されるまで慎重に検討」

 昨年3月の東日本大震災で発生したガレキの処理について全国自治体から賛否両論の声が挙がっている中で、北海道札幌市の上田文雄市長が、「市民にとって『絶対に安全』であることが担保されるまで、引き続き慎重に検討していきたい」との見解をサイト上で公表している。

 政府の方針としては、岩手、宮城両県のガレキ約2045万トンの20%相当の約401万トンを被災地以外の広域で処理をしようとして、全国の自治体に呼び掛けを行っている。

 札幌市の現状としては各清掃工場は、一般ごみ焼却後の灰からの放射性物質の濃度は、不検出あるいは1キログラム当たり13~18ベクレルという低い数値しか出ていないという。札幌市としては、職員派遣や食糧供給などで支援をしていきたいとしているが、多くの意見を聞くなど熟慮して、上田市長は現時点での結論を導き出したという。

 「何度も自問自答を繰り返しながら、私は、『市長として判断する際に、最も大事にすべきこと、それは市民の健康と安全な生活の場を保全することだ』という、いわば『原点』にたどり着きました」

 「私自身が不安を払拭できないでいるこの問題について、市民に受入れをお願いすることはできません。市民にとって『絶対に安全』であることが担保されるまで、引き続き慎重に検討していきたいと思っています」などと上田市長は見解を示している。

 環境省は現在、各自治体に受け入れを求めて説明活動を行っている。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる