「口止め料」2.7億円を蹴った元社長の訴訟が11日決着

 富士通社長時代に、野副州旦氏が、取締役陣から虚偽の情報を突きつけられて退任を迫られたことは人格権の侵害などとして、同社などに対して約3億8000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決があす11日、東京地裁で下される。

 2009年9月25日の富士通取締役会で当時社長だった野副氏が、取引のあった投資ファンドが「反社会的勢力である」との情報を基にして取締役陣から退任を迫られ、それに従った。

 当初は健康上の理由などと発表されたが、後に退任理由が訂正されたことでも、富士通という企業の姿勢を問われ、当時は大きく報道された。

 野副氏は相談役就任で合計2億7000万円の報酬を約束されたが、名誉の回復や会社の体質を変えたいとして2010年8月に東京地裁に提訴していた。

 これまでの口頭弁論の中では、投資ファンドが「反社」との交際があるのかどうかが問われてきた。3年以上に渡る長い戦いは、あす11日、一つの決着を見ることになる。


野副州旦(のぞえくにあき)氏

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