米移住の中国富豪は無一文のリスク覚悟

 中国の急速な経済成長の恩恵を受けた人たちは、次々と海外に移り住んでいる。中でもアメリカの西海岸は大量の中国人が移住。だが、中国の将来を心配し、アメリカンドリームを夢見て移住をしても、決して道は甘くないのだ。

失敗すれば無一文で中国に帰る可能性も…

 アメリカでは、移住を希望する富豪にEB-5というビザを発行している。これは外国人投資家に対して永住権を取得できるようにしたビザ取得プログラム。永住権取得には、指定の投資案件事業に50万ドル投資するか、100万ドル投資してビジネスを行う事が必須だ。


 投資は2年以内に少なくとも10人の従業員を雇用しなくてはならない。この投資が成功したら、申請人と配偶者、子供は永住権を取得できるというシステムだ。

 環球時報によると、統計では1992年から2011年までに、投資移民の申請数は700%上昇。474例から3805例まで激増し、特にここ2年の申請数は倍増。また昨年、EB-5ビザ申請の77%を中国人が占めた。まさに中国人が“列をなしてビザ取得を待っている”状態。

 だが、投資移民は“リスクを伴う”と、環球時報では指摘している。「EB-5はただ不動産を買うだけでは認められません。アメリカで起業し、就業するというリスク投資なのです。もし事業に失敗すれば、資産を失うだけでなく、ビザも失います」という。

 中国で成功を収めた中国人は、母国の腐敗政治や、汚染された空気、有毒な食べ物を嫌い、このビザ取得に今も夢中だ。しかし、その一方で無一文になる可能性も秘めているのだ。
「前門の虎、後門の狼」とはまさに、このことか。

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