東電会長人事、「民間はあきらめる」の声も?

6月にも「枝野会長」が誕生?


枝野幸男経産相
 枝野経産相のこの言葉を信じるとしても、一本釣りで成功するとも考えにくい。その政府側の依頼窓口となっているのが、仙谷由人政調会長代行と枝野経産相のライン。また、枝野氏は過去、東電会長人事について「所有と経営の分離」を明言していた。

 これは、議決権の半分以上を握った上で、信頼できる民間出身の名経営者と呼ばれる人に、経営を任せてしまおうという理想論だ。ただし「やはり財界にあまり顔が利かないという民主党の弱点が出ているのでは」と財界関係者は指摘する。

 そのため「こうなると政府の責任が問われてくるでしょう。財界人から、官僚、政治家に方向転換する可能性も十分に考えられます。最悪、枝野大臣ですか?」と続けた。ちなみに現職大臣の民間企業の役員就任は大臣規範により禁じられているので、有り得ない話なのだが…。

 もし、これが電力業界でなければ、スンナリと事は運んでいただろう。奇しくも電力業界の特殊性と、政府の弱さが改めて浮き彫りとなってしまった形だ。

 「最悪、6月の株主総会までに決まったらいい、という考えもないわけではないでしょう」という声も財界関係者の間から出ている。福島がまだまだ予断を許さない中で、東京では悠長な話が行われている。

1 2
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる