「野次将軍」に乗っ取られたオリンパス臨時株主総会

議事より野次

 ただ会場の空気を支配した「野次将軍」が、経営陣の“味方”につき、こうした反対意見や緊急動議などは、どこかに飛んでしまった。


オリンパス高山修一社長(昨年)
 あげくの果てには、退任することになる高山社長に対して「残って欲しい」との動議も。もちろん、この動議は取り上げられることはなかったが、高山社長は目頭が熱くなったのか、うつむいて聞き入り「ありがとうございます」などと礼を言う場面が出るなど、もはや損失隠しなど昔の話だ。

 高山社長は自らが人事部長だったが、その頃の経験を思い出し「わたしは幹部候補生を育成する制度を作りましたが、若人を会社のトップにしたいとの思いからでした。今こうして執行役員が出てきています」と、敗軍の将が兵を語る場面もあった。もう、ワンポイントという自身の役割を終えたという安心感から出たのだろうか。

 もうこの頃には席を立つ株主がぞろぞろ。国内の機関投資家が賛成する意向が事前に伝えられていたために、7議案は通過することはほぼ決まっていた。この緊張感のなさは、危機感のなさか? 全体的には温かい目で見守る出席者が多かったようだが、危機感はあまり感じられないような雰囲気が伝わる後味の悪い総会だった。

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