中国のゼラチンは革靴製、そして業者は大儲け

食べ物事情は富豪の海外移住にも影響か

 薬以外にも、ゼラチン加工後の革製品は、乾燥させ、化学肥料や鳥の飼料として使われているとの報道も。こうした飼料の中には、もちろんクロムなど多くの有害物質が含まれていると考えられる。

 その飼料を食べた鳥が、食卓に上っているとしたら、恐ろしい話だ。また、小籠包にも工業用のゼラチンが使われているとネット上で噂が広まるなど、ゼラチン騒ぎはしばらく収まりそうにない。


写真は上海モーターショーのVIP顧客エリア
 中国では、過去数年にわたって、こうした毒入り食品事件が多発している。08年には、有毒物質メラミンが混入した粉ミルクによって、30万人以上の乳児が腎臓結石など、健康被害を受けて大きな社会問題となった。この他にも、肉まんから、基準値以上のアルミニウムが検出されたり、地下道の汚水から作られた「リサイクル食用油」が摘出されたりと、悪質な事件が後を絶たない。

 中国富豪の中には、安全な環境を求めて海外に移り住む人が激増しているが、こうした食の問題も大きな原因となっているに違いないだろう。

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