写真で届ける世界遺産(ポルトガルその2、巡礼の道は聖地サンティアゴ・デ・コンポステラに向かいます)

 キリストの12使徒の1人、聖ヤコブの墓が9世紀初頭に発見されて以来、キリスト教三大聖地の一つとしてサンティアゴ・デ・コンポステラには多くの巡礼者が訪れ、その人数は11世紀には年間で50万人を超えたそうです。

 スペインの首都マドリッドから飛行機で行く方法が一般的ですが、巡礼道を歩くなら、フランスからピレネー山脈を越える4本のルートが世界遺産に登録されています。

 筆者はポルトガルのポルトからサンティアゴ・デ・コンポステラに向かう裏ルートを辿って、車で聖地に向かうことにしました。

 通りかかったヴィアナ・ド・カステロ駅前の「踊る男女の像」。ここはリマ川が大西洋に流れ込む河口に開けた、別名「リマの女王」と呼ばれるダンスで有名な美しい街。



 近くのサンタ・ルジア山は車でも上れる小さな山ですが、展望台からは大西洋が一望できます。この青年も自転車で聖地に向かうのでしょうか。

 国境を越えてポルトガルからスペインに入りました。ミーニョ川の河口では牡蠣の養殖が行われています。



 ポルトから2時間30分、やっと聖地に到着しました。カテドラルの前のオブラドイロ広場です。左の建物がラホイ宮殿、右の建物は現在ホテルとして使用されています。


 オブラドイロ広場の一角にある、世界で最も古いホテルの一つと言われるのが「パラドール デ サンティアゴ デ コンポステーラ」。128室ある、素敵な五つ星ホテルです。15世紀には王立病院だったそうですが、建物の入口には美しい彫刻が施されていました。


 そして広場の正面がカテドラルです。中世から現代まで、巡礼者が何カ月も歩いて目指した最終目的地です。

 スペイン・ロマネスク建築の最高傑作と言われますが、ピレネー山脈を越えてからも、さらに1カ月も歩いてきた巡礼者は、このカテドラルの「栄光の門」を見て、やっと巡礼の旅のゴールとなります。



 中に入ってみると、ちょうどミサが行われていました。キリスト教三大聖地もしくは三大巡礼地は、他にローマ、エルサレムがあげられますが、これほど荘厳なキリスト教のミサは初めてみました。


 ミサの終了後に撮った祭壇の写真です。中央には数多くの彫像や、装飾に囲まれて聖ヤコブ像が祭ってあります。信者は背後の階段を上がり、聖ヤコブのマントに接吻します。


 ミサが終わった時間にも、続々と巡礼の旅を終えた旅人がカテドラルを訪れていました。
この寒い時期に何キロ歩いたのだろう、そしてここで今、何を想うのだろう。この青年達を見て、胸が熱くなりました。


 街を散歩すると、聖地に相応しく、修道院や教会が多数あります。そして目抜き通りには銀製のホタテ貝の置物や、銀細工など、巡礼の地にふさわしい土産物が売られていました。


 最後に今回の小旅行をともにしてくれた車と、ガイド兼ドライバーのマリアさんです。
ポルトを出発して往復10時間の聖地への旅でした。


 ちなみにサンティアゴ・デ・コンポステラ旧市街は1985年に世界遺産に指定されました。

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