米調査会社トリムタブスとバークレー・ヘッジによると、ヘッジファンド業界の3月の資金流入額は23億ドル(総資産の0.1%)で、2月の68億ドルから減少した。
2012年第1四半期のヘッジファンド業界の資金流出額は32億ドルとなり、S&P500指数のパフォーマンスを下回った。同期間のS&P500指数の12%上昇に対して、同業界の上昇率は5.6%にとどまる。
同業界の資産は2007年7月以来減少が続いている。「資産の伸びは2009年夏にリバウンドしたものの翌年5月には伸びが止まった。一方、株式市場の資産価格は底堅く推移しており、2012年第1四半期には大幅に上昇した」とバークレー・ヘッジのワクマン氏は述べている。
同レポートによると、マクロ・ファンドとフィクスド・インカム・ファンドだけが過去3年間、対資産比率で大幅な流入を果たした。これらの戦略は投資家に想定外の地理的な問題やグローバルの金融緩和政策に対して最良のディフェンスを提供している。
日本ベースのヘッジファンドは昨年非常に人気が高く、過去12か月の円高を追い風にリターンは-4.3%ながら、流入額は対資産15.4%となった。同期間、円は対ドルで0.9%下落した。
調査対象のヘッジファンドマネージャーのほぼ半数が、2012年中にS&P500指数は2011年末水準である1257を下回ると予想している。10年物米国債について、3月の調査で「弱気」と答えたのは48.4%であったが、4月の調査では18.5%に大幅減少し、「中立」が3月は38.7%、4月が63.1%、「強気」は3月が12.9%、4月は18.5%であった。