大阪府職員基本条例、評価に悩む管理職、若手は地獄

 職員基本条例が4月に施行した大阪府で、はやくも職員評価の難しさに悩む役職者が増えている。相対評価により、必ず5%に最低評価をつけなければならないからだ。「30代前半までの職員に、3年に1度、最低評価をつけることになるかもしれない」とある管理職は話し、「若い職員の士気低下につながる」と悩む。その理由とは―。

100分の5に必ず最低評価


 この条例は、橋下徹・大阪市長が府知事時代に構想した「大阪府条例第86号 職員基本条例」。15条に、職員を5段階で評価し、職員数の「百分の五」に対して最低評価をつけなければならないと書かれている。最初の評価が出るのは来年4月だ。

 これに伴い、職員の分限規定を定めた条例(41号)の一部が改正され、その6条に「人事評価の結果の区分が2年以上継続して最下位の区分であって、勤務実績が良くないと認められる職員」は、指導研修の対象とされ、改善の見込みがなければ人事監察委員会にはかられ、免職になる可能性があることが規定された。

 府の従来の絶対評価制度では、最低評価がついたのは約2000人に1人だった。倒産も解雇もないから、努力を怠っている――というのが橋下氏の基本的な公務員に対する考えで、このぬるま湯を変えようというのが、条例の趣旨だった。

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