外国人投資家の「織り込み済み」

 日本語で好きな言葉は何かとよく聞かれます。日本株への投資で有名な外人投資家、スコット・キャロン氏は「一期一会」という素晴らしい言葉を好んでいるというのは有名な話です。しかしながら、外国人投資家である私は、どちらかというと皮肉たっぷりの人間なので、「織り込み済み」という言葉が好きです。

日本国内の投資で何を「織り込み済み」とするか?

 何かが起こった際、「織り込み済み」の場合、初めて起きた事柄であっても、市場リアクションは大抵小さくて済みます。

 最近の出来事で言いますと、欧州の諸問題が長引いていることから、スペインの2段階格下げについて、市場はそれをもちろんマイナスに受け止めましたが、欧州の財政問題が発覚した当時に比べると、その反応はかわいいものでした。まさにこの格下げは「織り込み済み」だったのです。

 この「織り込み済み」は日本に投資する時には深い意味を持つことがあります。では、日本に投資する時、何を「織り込み済み」とすべきなのでしょうか。

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