外国人投資家の「織り込み済み」

表面的な分析だけではいけない


 「織り込み済み」な日本の諸問題について、色々述べましたが、これらの要素を完全にマイナスと考えるのは危険だと思います。

 現在、日本のマクロ経済が成長する要素はありませんが、小さな国土で世界3位の経済力を誇るのは素晴らしいことです。世界での活躍を見れば、自動車産業、製薬産業などはいまだに素晴らしい結果を達成し続けています。したがって、どこまでを「織り込み済み」として投資を行うかは、ある意味、あなた次第です。

 また、日本のマスコミだけではないかもしれませんが、日本人はすぐに表面的な分析で物事を理解しようとし、問題を簡単に解決しようとします。背景にある歴史・社会・文化を理解せずに早とちりをします。この点を投資家として「織り込み済み」でないのであれば、「織り込み済み」にするべきだと思います。

 報道に対しても、何に対しても素直にリアクションしないほうがいいと考えます。マスコミが問題を理解して報道しているのかどうか、何を証拠に報道しているのかなどを考えるべきでしょう。また、インターネットの情報を安直に正しいとするのも危険です。日本のメディアに関して、海外メディアの理解は乏しいからです。ニューヨークだけに支局をおけば世界がわかるとは到底思えません。

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