巨額損失でJPモルガン女性幹部退任

 米銀行大手JPモルガン・チェースは14日、チーフ・インベストメント・オフィス部門の最高責任者で経営委員会のメンバーでもあるイナ・ドルー氏の退任を正式発表した。トレードで20億ドル(約1600億円)の損失を出した責任を取った形で、ウォール街の名物女性幹部は業界を去る。後任はマット・ゼームズ氏。

 同行は、この件に関しては理由をはっきりと明言しておらず、ロンドンオフィスでのデリバティブ(金融派生商品)の取引で、損失が出たポジションが流動性などの問題で手じまえなくなったと見られている。CIO部門は同行の預金の運用を行う部門。ドルー氏はリスクマネジメントの最高責任者だった。

 ドルー氏は、コロンビア大大学院を卒業後、1979年に東京銀行の現地法人に入行。それ以来30年以上も米ウォール街で生き続け、JPモルガンの役員にまで上り詰めた。

 ジェイミー・ダイモンCEOは「イナの長年にわたる多大な貢献は、この事の影に隠れてはならない」と功績をたたえた。


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