アジア市場に投資するヘッジファンドは好調で、日本を除くHFRI EM Asia指数のリターンは第1四半期+7.4%となった、とヘッジファンド・リサーチは伝えている。これは+12.3%となった2006年以来の好調な数字である。2011年は非常に厳しい年で、HFRIアジア指数のリターンは-18.08%と苦戦した。HFRXジャパン指数のリターンは同四半期に日経平均の+19.2%を受けて+5.2%となった。
ヘッジファンド・リサーチによると、アジアのヘッジファンドの数は1.101に達した。アジアのヘッジファンドへの投資資本総額は、2011年末以来4.5億ドル増加して866億ドル(6.9兆円)となった。2006年、2007年には多くのファンドがアジアに拠点を設けたが、金融危機が訪れ閉鎖や縮小に追い込まれたという経緯がある。
中国がアジアにおけるこの業界の主導権を握っており、グローバルのヘッジファンドの30%は中国を拠点とする。ヘッジファンドの拠点として多いのがシンガポール、次いでオーストラリア、日本である。
ヘッジファンドがアジア地域を志向する理由は、資本市場の成長性と多様性があるだろう。同時に、プライシングのアノマリー(合理的な説明のつかない現象)など非効率性も指摘されており、欧米に匹敵する洗練された効率的な市場に整備される必要がありそうだ。