4月のヘッジファンド指数(5月11日までに報告された全体の46.59%に相当するファンドの平均)はマイナス0.17%であったと、シンガポールの調査会社ユーリカヘッジは伝えている。因みに、同月のMSCI指数はマイナス1.62%であった。
4月のヘッジファンドへの純資金流入は104億米ドルとなり、全体の運用資産総額は1.76兆ドルとなったと述べている。
ユーリカヘッジのレポートによれば、総じてリスク回避の地合いが全体に広がったものの、投資地域により好調さも見られ、北米指数の4月のリターンは0.08%のプラスとなった。企業業績、米FRBによる一段の緩和憶測を背景に、北米のヘッジファンド資産総額は400億ドル増加した。エマージング市場は堅調で、4月のリターンは0.54%上昇した。アジア太平洋地域指数のリターンは0.51%とボラティリティに上手く対処してきたと指摘している。
最も注目されるのは中南米で、ここ10年で大幅な伸びを示し、運用資産は27億ドルから589億ドルに跳ね上がった。中南米のヘッジファンドへの純資産流入は第1四半期に12億米ドルに上るとしている。
戦略別では、レラティブ・バリューと債券が好調で、5カ月連続のプラスとなりそれぞれリターンは5.91%と4.56%となった。
一方、ヘッジ・ファンド・リサーチ(HFR)社が発表したHFRI指数によると、4月のヘッジファンドのリターンはマイナス0.36%であった。2カ月連続のマイナスで、年初来ではプラス4.42%としている。
戦略別で見ると、4月は、株式ヘッジ戦略やマクロ戦略がマイナスに終わったが、債券中心のレラティブ・バリュー戦略が5カ月連続のプラスになった、とHFR社は述べており、ユーリカヘッジと同様の傾向を示している。