フェイスブック共同創業者エドュアルド・サベリン氏(Eduardo Saverin)がすでに米国籍を捨てシンガポールに在住し、同社IPOによる利益から、50億円以上のキャピタルゲイン課税を逃れる件について、2人の上院議員が17日反対の声明を発表している。
上院議員はボブ・ケーシー、チャック・シューマーの2氏。ホームページ上に共同声明で公表したところによると、サベリン氏はこのたび米国籍の離脱を歳入庁(IRS)から認められており、税金支払い義務がなくなるが、これについて「新たなキャピタルゲイン課税などを考える必要がある」などとしている。
また、「偉大なアメリカのサクセスストーリーだが、誰が彼を守り、教育してきたのか」とも述べている。
そして、税回避目的で米国籍を外れた人が、2008年には235人だったが、2011年には1780人と激増しているIRSデータも明かした。
その上で2氏は、租税回避目的での国籍離脱については、課税を逃れられないような法律を整備する必要性を説いている。
サベリン氏は4年前からシンガポールに在住。同地はキャピタルゲイン税がない。米国では15%の課税がなされるために、売却した場合の38億ドルから5億7000万ドルの課税義務から逃れることができるということになる。シンガポールを拠点にアジア市場への投資を行っており、租税回避目的を否定している。
サベリン氏はブラジル生まれで、92年に米国に移住。98年に市民権を獲得した。ハーバード大1年生の時に同じ大学寮に住む、創業者マーク・ザッカ-バーグCEOと出会い、フェイスブックを立ち上げた。当時はCFOだった。
エドュアルド・サベリン氏(フェイスブックより)