日本国債A+に格下げ フィッチ

 格付け大手フィッチ・レーティングスは22日、日本の外貨建て長期発行体デフォルト格付(IDR)を「AA」から「A+」に、円建て長期IDRを「AA-」から「A+」にそれぞれ引き下げた。格付アウトルックはともに「弱含み」。

 今回の格下げは、日本の公的債務比率が高水準かつ上昇しているために、ソブリン信用力に関するリスクが高まっていることを反映してのもの。日本の一般政府総債務残高は2012年末までにGDPの239%に達すると予想されている。各国よりも突出して高い水準となっている。

 フィッチのアジア太平洋地域ソブリン格付チームの責任者アンドリュー・コルクホルン氏は「日本の財政健全化計画は、困難な財政状況にある他の高所得国と比較しても切迫感に欠け、計画の遂行には政治リスクが伴う」と述べている。

 政府債務比率が引き続き上昇する中で、新たな財政政策が打ち出されない場合、さらなる格下げにつながる可能性がある。急速かつ持続的な金利上昇など、日本政府の資金調達条件が大幅に悪化した場合、格付に著しい悪影響を及ぼすとみられるが、その可能性は低いという。

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