眠ることで大きく伸びる記憶能力
菅原氏によると、単純な記憶(単語の記憶など)は、眠ることによって脳の中で記憶が再学習され定着するという。これは単純な動作(タイピングなど)においても顕著で、12時間ごとに練習とテストを繰り返し、その間に眠らせて速度を 計測する実験によると、起きていた12時間後の成績(3.9%上昇)に比べ、眠った後の24時間後の成績(18.9%上昇)の方が著しく向上した結果が得られている。
菅原氏は「睡眠の質を高めることは、プレゼンティーイズムを解消し企業の損害を減らすだけではなく、質の良い睡眠は人間の能力を最も引き出すことができるため、仕事の質を変化させ企業の業績をも伸ばすことに繋がる」と話す。
そのためには、必ずしも睡眠時間を増やす必要はなく「ベストな睡眠は人によって異なる。必要なのは、その人の100%を出し切る睡眠方法を知ること」だという。大切なのは、1日の活動のピークにあわせた睡眠リズムを作ることになる。
また、就寝1~2時間前に入浴などで体温を意図的に上げ、睡眠の進化と共に体温をグッと下げ睡眠リズムと体温をシンクロさせると、睡眠の質が上がる。電球光や太陽光等、光の調節も重要とのこと。深い眠りを得ることで、目覚めがすっきりし、生産性があがり、クリエイティブな能力も発揮される。現代の一流サラリーマンに求められているのは睡眠の進化なのである。