C・ディオールCEO「顧客はカリスマを選ばなかった」

 仏高級ブランド、クリスチャン・ディオールのシドニー・トレダノ最高経営責任者(CEO)が、13カ月もの間、デザイン責任者不在だったが自社の業績アップしたことについて、
「クリエティブ・ディレクターが絶対に必要なものだと思っていた」と語った。

 これは英紙フィナンシャルタイムズに語ったもの。トレダノ氏は「カリスマはブレークスルーを実現するのだが、みなさん(顧客)はそれを選ばなかったようだ」とも述べた。

 クリスチャン・ディオールグループは、「ファンタジスタ」の異名をとるジョン・ガリアーノ氏が長年、クリエイティブ・ディレクターを務めてきた。だが、昨年3月に、一般の人に暴言を吐いたことで刑事事件化し、解雇された。

 しかし、同社の2011年の売上高は対前年比17%増の246億ユーロ(約2兆6400億円)、営業利益は同23%増の53億ユーロ(約5600億円)で、売上高は過去最高となったのだ。

 売れっ子クリエイティブディレクター職は年俸だけで1億円を超え、ガリアーノクラスともなれば10億円近く上るとも見られる。◆参考◆

 もちろん、カリスマが形成してきた資産の大きさは絶大だが、よりグローバル化、より個人化した市場では、カリスマそのものの意味はなくなっているのかもしれない。

 ディオールは4月にラフ・シモンズ氏が同職に就任している。


ガリアーノ抜きでスタッフだけの ショーとなった昨年3月のパリコレ

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる