バッジとペンを握って死んだ男

情報とは国民のために取ってくるもの

 「(記者は)普段、自分たちは、この国をよくしようと思っている。しかし、今回のように(国や企業が)明らかにウソをついていると思った時は、本来のウォッチドッグとしての立場を思い出して怒るべき時は、怒ってほしい」

 インターネットの即時性を強調するあまり、現在の記者はタイプライター化。「ゆっくりと質問する暇がない。質問は他社任せ」(全国紙記者)という場合もあり、質問が甘くなるという側面もあるようだ。

 しかし、国家公務員、大企業、全国紙などの大手マスコミ。日本の就職試験においては難関の部類に入り、エリート意識でつながることがある。それが記者クラブでもあり、例えば省庁の担当記者ならば、一日中官僚と顔を合わせ官庁の中にいれば、考え方も似通ってくるのは当然かもいれない。

 「情報とは国民のために取ってくるもの。自分の後ろにいる人々を念頭に入れておいて下さい」

 末期がんを患う日隅さんは6月12日、問題を提起して亡くなっていった。亡くなる前日も仕事をしていたという。

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