大手ヘッジファンドは今後ドイツ国債の売却に動きそうだ。これまで安全資産として買われてきた独国債だが、金利が上昇に転じている。スペインの財政問題が独国債売りの原因と見られる。
独国債10年物利回りは6月1日に1.13%と年初来の低い水準となっていたが、19日には33bp上昇して1.53%となった。ドイツの財政負担に対する投資家の懸念を反映したものと見られる。モナコで19日に開催されたヘッジファンド業界の年次総会で、過半数のマネジャーは一年以内にドイツ国債金利は大幅に上昇すると予想している。
ロイターによると、ドイツのCDSスプレッドも拡大しており、資金力のあるドイツでも財政的にすべてを支援するのは難しいとの懸念を反映している。
米債券運用会社PIMCOのチーフ・インベストメント・オフィサーのビル・グロス氏も独国債の見通しに弱気である。ユーロ圏の債務危機を受けたドイツの負担増により、同国債の魅力が薄れているとしている。