100年後に家宝になる腕時計 第一回

プレミア度が上がる腕時計は決まっている?

 価値を維持するのではつまらない、という声も聞こえてきそうだ。すなわち、将来に向けてプレミアムがつく腕時計はないものか。そうした、年を経てなお評価が上がる腕時計は、共通した価値上昇の加速装置を持っている。


現行モデルとして復活したワールドタイマー。 写真はクロワゾネ・エナメル文字盤バージョン の『5131G』/パテック フィリップ ジャパン ・インフォメーションセンター☎03-3255-8109
 それが「ブランド」である。世間がその価値を認めた一流ブランドの製品であり、前述のように複雑機構を備え、かつ生産数のすくないレアピースが、年を経て何らかの事情により市場に出ると、予想もしなかった価格になることが珍しくない。では、そうしたブランドはどこなのか。

 全てを明言することはできないだろうが、検証済みのブランドはある。前述のアンティコルムは過去約20数年の間に数回だけ、全ロットをひとつのブランドに絞った特別なオークションを行なっている。それらのブランドでは前述したような、年を経て値上がりしたピースも少なからず確認されている。

 そのブランドとは、(アート的に評価されたスウォッチを除けば、開催年順に)パテック フィリップPatek Philippe、ブレゲBreguet、ロレックスRolex、カルティエCartier、ブルガリBvlgari、ヴァシュロン・コンスタンタンVacheron Constantin、オメガOmegaである。

もちろんこれが全てではないにせよ、実際に結果を出したブランドである。最後にもうひとつ、100年後にその品の価値を評価する人間はどこにいるかという問題が残っている。

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