100年後に家宝になる腕時計 第一回

(今回のブランド)コレクションのためのヒント

 アンティコルムによる「単一ブランドのオークション」が2回開催されている唯一のブランドが「パテック フィリップ」である(“The Art Of Patek Philippe”,1989/“The Art of Patek Philippe, Legendary Watches”,1999)。


2002年にアンティコルムのオーク ションで最高落札価格を樹立した プラチナ製のワールドタイム
 さらに2002年に行なわれた別のオークションでは、1946年製のヴィンテージが6,603,500スイスフランという世界最高の落札価格記録を打ち立て、当時のレートでも邦貨5億円を越えた。

 その時計は、一目で世界24都市の現在時刻を見渡せるワールドタイム。製作当時には、世界を驚かすコンプリケーションであった時計だ。

 実はこの腕時計は21世紀に入ってリバイバルしている。5億円の腕時計が、同じブランドのセルフカヴァーで約100分の1の価格である。それでも決して絶対価格は安くないので、希少なピースに変わりはない。いまから100年経てば「復刻」ではなく「時が離れたセカンドモデル」という扱いになるのではないだろうか。

  文:並木浩一(桐蔭横浜大学教授) 構成:富永淳

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