橋下徹大阪市政の目玉として公募されていた大阪市24区の区長たち。合格者が発表された21日から、区役所職員たちは、民間から登用される区長の人物像を知ろうと、情報収集合戦を繰り広げている。その結果、職員間で「もっとも気の毒な区」とされたのは、27歳の元NHK職員を区長に迎える天王寺区だった。その理由とは――。
能力よりも人柄が問題に

大阪市役所
27歳区長は、橋下市長にとって公募区長の目玉だけに、事務方は神経をすり減らすことになりそうだ。
ほかに「気の毒な区」とされたのは、34歳の外資幹部が区長になる西区や、海外勤務中の人物が区長になる、中央区と阿倍野区。「『海外ではこうだった』とか『英語が喋れないのか』と言い出すのではないか」(市関係者)という懸念だ。
区役所の仕事は市民サービスに直結し、地味で目立たないものが大半。今回、民間から選ばれた18区長は、約1400人の応募者から選ばれただけに、夢見ているものは大きいに違いない。
華やかな外資や大企業から転身してきたら、「思っていた仕事ではない」と挫折し、任期途中で辞任してしまうのではないか――と危惧する向きは少なくない。大阪では早くも、「脱落1号区長は誰か」を予測する声も出ている。