誰の携帯電話が最も豪華? 中国人の見栄張り

 「この携帯電話は通話用だよ。メールを送るのさえも扱いにくいが、インテリアやアクセサリーのようなものだね」。

18金で覆われ、ダイヤモンドが埋め込まれたヴァーチュの携帯電話を片手に中国富豪は、こう話す。最高70万元(約約840万円)というヴァーチュの携帯電話は、高級時計を買うような感覚だ。

 このヴァーチュ、ノキアが高級携帯電話ブランドとして立ち上げた事業だ。(今月ノキアは欧米に拠点を持つ「EQT VI」にヴァーチュ事業を売却することで合意したと発表)

 こうした高級携帯電話が今、“有名ブランド”や“派手な装飾”が好きの中国富豪たちの間で注目を集めている。中国経済周刊が伝えた。

 「成功した人の携帯」「CEOのための携帯」をコンセプトに売り出されたヴァーチュの携帯電話だが、欧米では苦戦しているようだ。ウォール・ストリート・ジャーナルは「2012年消えゆくブランド」のトップにヴァーチュを選出。日本にも2009年に進出したが、昨年、撤退している。

 確かにヴァーチュは、修理を行う場所が、香港、ロシア、イギリスと全世界で3カ所しかなく、期間も1か月以上、修理費用も数万元以上(数十万円)と高額になってしまうなどの欠点がある。

 そんな中で、勢いを見せている市場が、中国などの新興国だ。ブランド関係者は、「ヴァーチュの最大の市場」と話す。ヴァーチュは全世界で80数カ所の専門店を展開するが、このうち38店舗が中国にある。米誌フォーブスは「中国を含む新興国の富豪たちは、数万元から数十万元(数十万円から数百万円)を支払って携帯電話を買っている。これはノキアが数十年のうちで得た最も大きな成功の一つだろう」と評している。

 ステイタスにこだわる中国富豪の間では、高級時計やアクセサリーと同じように、こうした高級携帯電話がますます広まりそうだ。既に、ディオールや、フェラーリ、ランボルギーニなどの有名ブランドもこうした市場に乗り出している。

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