シャープ「鴻海ショック」で工場見学会は廃止に

 3760億円にも及ぶ過去最大の最終赤字や、台湾の鴻海精密工業グループが資本出資することで注目されたシャープ(本社・大阪市阿倍野区)の株主総会が26日、大阪市北区の大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)で開かれた。株主からは「『丸ごと買収するぞ』という脅しがあったという報道は本当か」「庇を貸して、母屋を取られるということはないのか」という声が噴出した。奥田隆司社長は、「これ以上の出資や役員の派遣を受け入れる計画はない」と否定したが、株主の不安や疑問を拭うことはできなかった。

謝られても…


シャープ定時株主総会会場の展示場
 「議事に先立ちまず、株主のみなさまにお詫びを申し上げます」

 総会は、業績悪化に対する片山幹雄会長の謝罪で始まった。全役員が沈痛な面持ちで起立。「株価もふくめ、株主のみなさまのご期待にお応えすることができず、誠に申し訳ありません。業績の回復に向けて努力を傾注してまいります」

 しかし、会場からの拍手はまばら。今のシャープが、努力で何とかなるほど甘くないことを、株主はわかっているからだ。「シャープがつぶれるかどうかという、これだけの異常事態」「きょうは質問時間を制限しないで」と発言する株主には、「その通りや!」という賛同の声が上がった。

 株主からの質問は、物騒なうわさが飛び交う鴻海との提携について集中した。

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