賞味期限切れの経営者は退場を(パナソニック)

松下正治名誉会長は欠席

 一方、「(海外の)ライバル企業に技術者が流出している」とエンジニアの待遇に問題があることを指摘した株主に対し、鹿島幾三郎専務が「辞めるときに、(情報漏えいしない)誓約書を書かせている」「(辞める人材の)データアクセスをチェックしている」と的外れな答えをしたときには、会場からは失笑が漏れていた。

 取締役を4人減らし16人とし、役員報酬も削減することなどを説明、議案はすんなり可決したが、多くの株主は納得していなかった。

 もっとも、最後に、総会後に社長となる津賀一宏専務がスポットライトを浴び、「今日の貴重なご意見を生かし、粉骨砕身で努力する」と挨拶したときは、会場の拍手はあたたかかった。次にがんばってもらわねば、自分たちの株の価値も上がらないためだ。

 さて、最後の総会を欠席した松下名誉会長。会場にいたOB株主のひとりは、こう話していた。「死ぬまで取締役を続けると言っていたから、降ろされることに不満で来なかったのかもしれない」

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