イエローキャブ社長自殺に見る業界の苦難

別事業で稼ぐ事務所も

 そうした中で、皮肉にもここ最近でよく取り上げられる話題としては、看板タレント小池さんの移籍というものだった。もし移籍が実現すれば事務所は一気に傾いてしまうが、実際にはまとまってはいない。

 また、関係者によると、イエローキャブは新規事業を行おうと、投資家から資金を募っていた時期もあったという。しかし、この事業がその後、新たな収益源になったという話は聞かない。


佐藤江梨子さん
 前出の中堅プロ社長は「芸能プロの大事な収益源であるスクール持っているところも、生徒は減っています。不動産投資や飲食事業をやっていたりする事務所もありますし、給与を増やしてやれないので、タレントはもちろん、スタッフにもアルバイトを黙認しているところもあります」と現状を説明する。

 イエローキャブは今後、小池さん、佐藤さんの独立、さらには野田氏のサンズとまとまるなど諸説あるが、方向性は見えてこない。

 誰かが浮かぶと、他の誰かが沈むというゼロサムゲームが繰り広げられている芸能界。萎んでいくパイを奪い合う構図は相変わらずだが、それは同時に再編しない古い業界であることも示している。

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