前フランス大統領のサルコジ氏が、選挙資金を違法に受け取ったとして、捜査当局は3日、自宅や事務所などの家宅捜索を行っている。ロレアル創業者の娘ベタンクール氏(89)から違法に受け取ったとされる。資産200億ドル以上とされるこの大富豪と政権は以前から親密さが言われてきたが、この大富豪の周辺も脱税疑惑などお金の問題で騒がしく、こちらも明らかにされるか注目される。
地元紙によると、07年の大統領選でサルコジ氏はベタンクール氏から選挙資金として、15万ユーロを受け取った疑いだという。
過去には、ベタンクール氏の会計士がサルコジ氏の事務所で勤務するなど親密な関係が言われ、いったんは否定したこともあった。
また、サルコジ政権下で労働相だったブルト氏の夫人がベタンクール氏の資産管理担当を務めていたこともあり、これが脱税ではないか、との疑惑も持ち上がっていた。
ただし、ベタンクール氏は最近は認知症と診断されており、犬猿の仲という娘と資産の管理を巡って訴訟で争っていたこともあった。娘が嫌いという理由で、元労働大臣のブルト氏に管理をしてもらうという異常さだった。
一部はスイス、セイシェルのアロス島などに数十億円の口座を持っていたことも判明しているが、サルコジ政権の力を借りて脱税という可能性もあり、こちらの問題にも波及しそうだ。