AIJの不正を見抜いたソフト

 インサイダー取引やAIJの企業年金消失問題など不祥事が後を絶たないが、AIJ投資顧問の不正を見抜いたMPIの早期警報システムが注目を集めている。

 フィナンシャル・タイムズによると、MPI(マーコフ・プロセス・インターナショナル社)は先進的な定量分析技術を活用したシステムを用いて、ヘッジファンドのインサイダー取引の不正を指摘した実績がある。

 MPIの実力を示す例として、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツの取引戦略分析が挙げられる。ブリッジウォーターのピュア・アルファ戦略は、株式、通貨、コモディティのマーケットを通じて裁量的にロング・ショートやスプレッド・ポジションを構築していく。それでもMPIの分析でブリッジウォーターの過去三年間のリターンがどこから生じたものであるかを的確に指摘することができた。

 MPIの目的は不正行為を見破るというよりも、より良質な運用マネジャーを選別することであるが、開示された運用成績の不正を警告してくれるツールは投資家にとって価値が高い。

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