野田首相「人災」認めず、浪江町の避難民関連死

 10日の参院予算委員会で、東電福島第一原発事故の直後に米国が提供した放射線に関する情報が日本政府が隠ぺいしたと言われる件で、野田佳彦首相は「関係機関の連携、情報共有が不十分で、公開が希薄だった。ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします」と謝罪した。佐藤正久委員(自民)の質問にこたえた。

 福島第一原発から20キロ圏内の浪江町の町民が、情報がないために、避難を繰り返した。そのため町民70人以上が関連死したとされ、大きな問題となっていた。

 この日は、同町の吉田数博議長も参考人として出席し「情報が公開されていれば、住民を放射能から守れたのではないか」と、述べた。

 佐藤委員は「謝罪だけで済みますか。浴びなくていい放射能を浴びたんですよ。人災だとは思いませんか」と首相に答弁を要請。

 野田首相は「なぜそうなったかについての原因が定かではない。そうしたものを踏まえて対応してまいりたい。そのことも含めて、何が起こったのか検証しなければならない」などと述べるにとどまった。

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