香港の投資リサーチ会社マッディ・ウォーターズが、中国企業ニューオリエンタルエデュケーション&テクノロジーグループの決算について「監査人は辞任する必要があるほどの重大な修正事項がある」とのレポートを18日に発表し、同社の株価が30%以上の下落をしている。
同社の発表するレポートは「デス・レポート」とも呼ばれ、過去には林業サイノ・フォレストの株価が10分の1になるなどした。香港に拠点を置き、中国企業の公表されていないウソの事項を暴き出すレポートを発表する。また、自らも空売りを仕掛けて大きな利益を出している。
ニューオリエンタルは語学学校などを運営し、昨年は売上高が392%増となるなど急成長中の企業だ。その成長の源泉となったのが塾の展開で、338%も教室数が増えたのだという。
ただ、マッディのデスレポートによると、「店舗が会社所有だとしているのだが、大部分はフランチャイズで、そのフランチャイズ費用を会社の残高として流用している」としている。
マッディは代表者にいくつかの質問も行っている。そのやりとりでは「全部、御社の教室なのか」との質問には、「そうだ」と答え、教室数は「650ある」と答えている。終始、フランチャイズであることを否定した。
18日にレポートを発表し、同社株は前日比4.84ドル安(-33.47%)の9.62ドルとなった。しかし、実際には発表の前日である17日の始値22.19ドルから、終値14.62ドルまで売られるなど、マッディが前日から参戦している可能性も十分ある。わずか2日間の取引で、約6割も株価が下落していることになる。
マッディ社代表カーソン・ブロック氏