アジア一の大富豪の李嘉誠氏が率いる香港最大の企業グループ「長江実業」が、長男の李沢
鉅氏を後継者にすることを決めた。ファミリーの信託資産であるユニティ・ホールディングス
の株式3分の1を握った。これで、グループで1100億ドルという莫大な総資産を誇る帝国が、名目上は禅譲を完了したことになる。
香港証券取引所に提出した資料では、長男はユニティHDの3分の2の株式を握り(李氏は残りを握る)、長江実業や、ハチソン・ワンポアなどのグループ会社の実権を掌握することになると見られる。
地元メディアによると、李氏は年次株主総会ですでにこの計画を明らかにしており、それを実行に移したもの。
日中戦争の戦火をくぐりぬけ、戦後は中卒で働き始めた。当初はドライフラワーを販売し、これが大ヒット。その後は不動産業に進出し、香港で最大のデベロッパーに長江実業を育て上げた。各国の資産に投資しており、米誌フォーブスの最新のランキングでは、9位。李氏はすでに83歳。副会長である長男に跡目を譲る。
李嘉誠氏