中国富裕層の租税回避は94兆円

 イギリスの独立機構「税制公正ネット」の発表によると、2010年末までに全世界の富豪たちが課税を逃れた資産は、合計で21万億ドル(約1643兆円)に上ることがわかった。これは、日、米のGDP総和に相当。このうち、最も多いのが中国で、額は合計で約94兆円に達し、全世界の5%を占めた。香港明報が伝えた。

 租税回避のために、富豪の多くは資産を香港、ケイマン諸島などタックスヘイブンを利用している。2005年に行った同調査で、租税回避が行われた資金は、全世界で11.5億ドル(約900兆円)だったのに対し、現在はその約2倍に膨れ上がった。これに不動産の資産なども合わせると、隠された富豪の資産は、世界経済の巨大なブラックホールとなっている。

 報告書によると、仮に全世界で21万億から32万億ドルの隠された財産が、毎年投資され、リターンが3%だとすると、各政府はその3割を徴収でき、税収は1900億ドル(約14兆円)から2800億ドル(約21兆円)に上る計算だ。これは2011年の政府開発援助(ODA)総額1330億ドル(約10兆4000億円)を軽く超える額である。

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