米証券取引委員会(SEC)は、中国石油会社「CNOOC」による、カナダのネクセン買収が公表される前にインサイダー取引で1300万ドル(10億2000万円)の利益を上げた投資家に、該当する投資家の資産を凍結すると発表した。
CNOOCはネクセン株52%を購入する買収案を発表したのは6月23日。しかし、6月19日に香港籍の投資会社ウエル・アドバンテージ・リミテッドが、ネクセン株83万株以上を購入。700万ドル(約5億5000万円)以上の利益を得ている。
ウエル社代表、張志熔氏は中国でも不動産デベロッパーなどを営む大富豪で、2010年にはフォーブスで374位に入ったこともある。
また、身元不明のトレーダーはネクセン株67万6000株以上を購入した。発表が行われた後に600万ドル(約4億7000万円)以上の利益を得た。
ネクセンの株価は23日に51%も上昇している。
SECは先週27日に、NYマンハッタン連邦地裁に資産を凍結する保全命令を申し立てた。申し立てによると、対象となるのは、ウエル・アドバンテージ・リミテッドとトレーダー。合計で3800万ドルの資産を凍結したという。