中国の電子商取引運営大手アリババ・グループは、米ヤフーが保有する株式40%の半分を買い戻す計画で、80億ドル近い資金を調達した。米ヤフーは約71億ドルで約20%の株式を売却する、とニューヨークタイムズは報じている。
資金調達に目途がついたことで、アリババは時価総額第一位のインタネット企業としての地位を強固なものにし、商標と株価を巡って関係が悪化していた米ヤフーと決別に向けた第一歩を踏み出したいとしている。
アリババ・グループは5月21日、現金63億ドルと新たに発行する優先株(約8億ドル)で、米ヤフーが所有する自社株の半分を買い戻すことで米ヤフーと合意した と発表しており資金提供先を探していた。これを受け、中国政府系ファンドである中国投資有限責任公司(CIC)がアリババ・グループの普通株式26億ドルを買い受けるほか、国家開発銀行が融資を提供する。
アリババの業績は今年上期、売上高は18億ドルを超え、前年比60%増と好調である。一方、米ヤフーは、米グーグルや米フェイスブックとの競争激化で業績が低迷している。米ヤフーにとって、7年前に10億ドル投資したこのアリババへの投資は大きなリターンをもたらした。米ヤフーはこの売却により得た益を株主への還元に充てたいとしている。