慶応大の冨田勝教授が自身のゲノム情報公開

 慶応大学の冨田勝・環境情報学部教授が、自身の全ゲノム配列を解析し日本DNAデータバンクで公開し始めた。日本人としては初となる。

 2000年代初頭に国際ヒトゲノム計画の完了が各国首脳によって宣言され、その後の急速なDNA解析技術の進展により、数年以内にはわずか1000ドルで、人の全ゲノム情報を解読できるようになると言われている。個人のゲノムが手に入れば、自分がどのような病気になりやすいか、というリスクを事前に知ることができるという利点がある。

 今回、冨田教授が公開することで、パーソナルゲノムの教育などに広く活用されることを期待しているという。日本人が実名で個人ゲノムの公開を行うのは初めてとなる。

 冨田教授は「最終発表会では、私の遺伝的な身体能力や知的能力、体質や病気のリスクなどの考察・議論がなされ、とても興味深いものだった。当たっていると思われるものや外れていると思われるものもあり、『ゲノムを見ればなんでもわかってしまう』ということでは決してないということが学生たちは体感できたと思う。一方で、体質や能力について統計的な傾向が分かるということも確かであり、それをどのように生活向上のために利用していくかが今後重要になる」とコメントしている。

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